マニュアルセラピーの歴史的背景と発展

宮本02

マニュアルセラピーの歴史的背景と発展

マニュアルセラピーは、古くはヒポクラテスの治療形態にも見られ、19世紀後半にはStill,A.T.によるオステオパス医学、Palmer,D.D.によるカイロプラクティックの治療体系が提唱されましたが、理学療法におけるマニュアルセラピーは1960年代にKaltenbone,F.(ノルウェー)が「四肢関節のマニピュレーション」を発表し、次いでMaitland,G.(オーストラリア)が「脊柱のマニピュレーション」を、Paris,S.(ニュージーランド)が「脊柱のマニピュレーションの理論と治療」を次々と発表しました。それとともに各々、独自の評価・治療体系を確立し、理学療法士の卒前ならびに卒後教育を通 して、理学療法における今日の臨床技術の発展と開業権の獲得に大いに寄与しました。

1974年にはカナダのモントリオール市に13カ国の会員が集まり、第1回IFOMT(International Federation of Orthopedic Manipurative Therapists)学会が開催されました。

2000年のIFOMT学会はオーストラリアのパース市で開催され、筋電図学的研究の成果 に基づいた、特に頸部や腰部のStabilizationに関する治療法が学会のトピックスとして注目を集めておりました。

また、その学会では本研究会員も参加し、熱い討論を交わしてきました。 次回、2004年には南アフリカのケープタウンにてIFOMT学会の開催が予定されております。

今後とも、形態学的、運動学的、そして神経生理学的観点から、マニュアルセラピーに関する科学的検証が一層進められて行くでしょう。

次世代を担う若い先生方の情熱と、経験を積まれた先生方の知識を活かし、本研究会も益々発展して行くことでしょう。

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